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PLACE|若き世代がつくる、みんなの家「あおた荘」

ひと足お先に移住した先輩が、「誰かが移住してきたらまず連れて行きたい!」と思う、とっておきの場所をご紹介。今回は、浪江町のゲストハウス「あおた荘」。

ゲストハウス「あおた荘」は、休憩所、宿泊所、コワーキングスペース、ワークショップ会場など、様々な用途で人が集まる憩いの場として2018年2月にオープン。まるで友だちの家のように温かい雰囲気の「あおた荘」を運営するのは、和泉亘(いずみ・わたる)さんと小林奈保子(こばやし・なおこ)さん。

始まりは、2017年3月31日に一部避難指示解除となった浪江町。「住民やボランティアの方々が、気軽に立ち寄れる場を作りたい」という想いからスタートした。

2018年の3月から5月にかけてクラウドファンディングをしたことで全国的に認知され、現在は、震災復興を研究する大学生やボランティアの方々の宿泊利用が多い。「当初、運営資金として80万円を募ったのですが、5日で達成し、結果的に倍の金額が集まりました」と振り返る和泉さん。学生は「あおた荘」を拠点にし、町民の方々と触れ合ったり、研究をまとめたりしているそうだ。

宿泊は10人程度でき、どの部屋も清潔感のあるこざっぱりとした印象。リビングの大きなテーブルを囲み、宿泊者と一緒に食事をしながら意見を交換することも多いという。

また、様々なワークショップも不定期で開催。小林さんは女子会やバレンタインのチョコレート作りを企画したそうだ。「20~30代の女性が集まれるカフェがこの辺りにはないので、同世代で開いた女子会はとても盛り上がりました」。

若き2人が作ったゲストハウスは、まさに“みんなの家”といった雰囲気があり、居心地が良い。浪江町の入り口としてまずは「あおた荘」から訪れてみると、地域の様子がわかるかもしれない。

(2018/9/11 取材)

  • 取材・執筆:石川ひろみ
    撮影:出川光
  • あおた荘
    住所:〒979-1521
    福島県双葉郡浪江町権現堂御殿南18-8