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PLACE|小高の新たな文化スポット「フルハウス」から広がる本の世界

ひと足お先に移住した先輩が「誰かが移住してきたらまず連れて行きたい!」と思う、とっておきの場所をご紹介。第二回目は、作家・柳美里(ゆう・みり)さんが立ち上げた本屋「フルハウス」。

芥川賞作家の柳美里さんが店長を務める本屋「フルハウス」は、2018年4月、南相馬市小高区にオープン。地元の県立小高産業技術高等学校の学生が帰りの電車を待つ間、時間をつぶせる場所がなかったことをきっかけに立ち上げに至ったそう。書店について、この日店番をしていた柳朝晴(やなぎ・ともはる)さんにお話を聞いた。

ここを訪れるお客さんは、ふらっと立ち寄るというよりも、何か目的を持って訪れる方が多い。

「もちろん毎日のよう来てくれる高校生もいますよ」と柳さん。しっかりと地元の本屋としてこの場所に根付いているようだ。お店は最寄りの小高駅の終電時刻である21:20までオープンしており、部活帰りの学生たちも立ち寄れるようになっている。

店内には、柳美里さんの著作をはじめ、著名人24名による推薦本など、約2000タイトルがラインナップされている。訪れる人によっては2時間以上滞在し、じっくりと本を選ぶ人も。こだわりのラインナップは選びがいがありそうだ。

将来的にはカフェや学生のための学習スペースを併設することも計画している。本屋という枠を超え、多くの人々にその輪が広がっていくのが楽しみだ。

(2018/7/4 取材)

  • 取材・執筆:酒井瑛作
    撮影:出川光
  • フルハウス
    住所:〒979-2121 福島県南相馬市小高区東町1-10