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WORKING|介護士として働く(慈誠会)

福島で働くってどういうことだろう? どんな仕事があるのか、実際にどんなふうに働いているのか。職業別で相双地域で働く人々の働き方や職場の様子をご紹介します。

今回は慈誠会で働く介護士さんの職場を覗いてみます。

・プロフィール
20歳から南相馬の市立病院で看護助手として働き、20代後半で初任者研修の資格を取得して老健に勤務。

・福島で働くきっかけ
震災をきっかけに、東京に避難することに。そこで大型病院に勤め最先端の医療現場を経験。2015年末に母親の病気があり東京との往復生活になり、帰郷を考えるようになる。避難者の借り上げ住宅の期限や母親への想い、息子のそばを離れることへの葛藤がある時期に同施設の立ち上げに参加してほしいと依頼をいただく。きっかけは母親の病気だったが、息子が帰郷に理解を示してくれ、同施設への前向きな気持ちで戻ることを決意。

自分らしさと復興への想い

Q1.普段はどんなふうに働いていますか?
「入居者の方々の身の回りのお世話をしている中で、新鮮な発見などが毎日あって、楽しく働いています。再開したばかりの介護老人施設ということで、何を決めるのも自分たちで話し合って、よい方法を試せるという環境ですね。地域全体としては医師の数が足りなかったり、入居希望者すべてに応えられない現実がありますが、少しずつでも地域に貢献できている実感を持って働いています」

Q2.東京の時と比べてお給料は?
「東京では今よりお給料はよかったですが、こちらの相場は知っていたし、その上で決めてたから気になりませんね。新築賃貸マンションは格安だし、物価が安かったり、住みやすさは断然こちらです」

Q3.生活で心配なことはない?
「震災直後のイメージが強いせいか、帰る前に多くの人に『大丈夫なの?』と心配されましたが、まったく問題ないです。車があれば移動は困らないし、お店もたくさん開いていますよ。物価が安いのでむしろ生活面には余裕ができました」

Q4.帰ることに不安はなかった?
「震災後、地元を離れましたがよく帰っていました。その中で復興しつつある風景は見てきたし、不安はなかったですね。初めて浜通り地方に来る方もきっと楽しみを見つけてもあれると思います。福島は広いですから」

  • 編集:酒井瑛作
    取材:吉良竜二
  • 医療法人 慈誠会
    住所
    〒975-0075 福島県南相馬市原町区石神字赤坂110番地の1
    詳細ページ:http://jiseikai-mc.jp/