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MYSTYLE|移住後の暮らしは大切な人からの愛がいっぱい
住むところが変われば、ライフスタイルも変わる。ひと足先に移住した先輩に、移住後の暮らしに欠かせないモノや仕事道具を見せてもらいました。インタビューと合わせて読めば、彼らの毎日の過ごし方が見えてくるはず。
福島県南相馬市にある婦人服メーカー、福装21で働く奥山円美(おくやま・まるみ)さん。いつかデザイン画をもとに、型紙(パターン)を作るパタンナーになるために、働きながら勉強する日々を送っている。仙台市から南相馬市へ移住した後の暮らしで大切にしているものを見せてもらった。
服飾の専門学校に通っていたと聞いたので、洋服や小物が出てくるかと思ったら、持って来てくれたのは使い込まれた手帳と家計簿、料理の本、それに木でできた棚だ。
手帳と家計簿は、書いているだけで楽しく、予定や使った出費を一つ残らず記録している。特に手帳に予定を書くのは大好きで、2ヶ月後の予定まで書き込む。「大好きな彼との約束を書き込むだけで楽しみで仕事を頑張れる」と微笑む彼女にとっての魔法のような道具だ。
料理の本はお母さんが、全部一度は作りなさいと持たせてくれた。移住後に自炊をするようになって、その言葉通り少しずつ料理を作ってきたという。「難しいのは、やってないんですけど」と笑いながら本をめくっていくが、そのほとんどのページで「これは作ったなぁ」と手を止める。
木でできた棚は、実家を出て移住してくるときに中学三年生だった弟さんが作ってくれたもの。どうりで既製品にはない味わいが引き出しの部分などに見え隠れしている。
離れていても、生活の中に馴染んだ家族や彼の愛情が、奥山さんの移住後の毎日を彩っている。
奥山さんのインタビューは<こちら>から。
(2018/9/12 取材)
- 取材・執筆・撮影:出川光