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COMMUNITY|「小高ワーカーズベース」が切り開く可能性
移住する人の周りには、それを支えるコミュニティが必ずある。仕事場や何気ない会話を交わす人の輪。この連載「COMMUNITY」では、変化する福島復興エリアの街をリードし、支えるコミュニティで起きていることと、その可能性を伝えていく。
第一回目は南相馬市小高区にある「小高(おだか)ワーカーズベース」。2014年の立ち上げ以来、コワーキングスペースとして人が集まる拠点となっている注目の場所だ。
小高駅から徒歩1分の場所に「小高ワーカーズベース」はある。もともとお茶屋さんだったころの名残を残す透明の引き戸をあけると、中に6人くらいが作業できる長机が3つ。それを囲むようにして椅子がおかれている。階段を数段上がったスペースでは男性と女性がひとりずつ、作業にあたっていた。
代表を務めるのは、小高区出身の和田智行さんだ。「あえて人のいないところにワーキングスペースを作れば、組織に縛られずに働く人たちが興味を持ってここに集まってくるんじゃないか」。そんな思いから、2014年より運営が始まった。小高区の避難指示が解除される2年前のことだ。
運営当初は、この近辺で貴重なWi-Fiが使え、腰を据えて仕事ができる環境が整っているためメディア関係者やフリージャーナリストの利用が多かったのだという。
この拠点が次第に認知されていくにつれ、オフィスとしての利用だけではなく、「何か一緒にできることがあれば」と地域の課題に取り組むプロジェクトやビジネスの相談の持ち込みも増えていった。
「最近は、何か目的や相談事があってここに来てくれる人が多いんです」。和田さんの周りでは、このエリアが賑わいを取り戻すための新たなビジネスの芽が生まれ続けている。
最後に、スタッフや時おり訪れるワーカーの数も増え、そろそろ手狭になってきたこの場所から移転する計画があると和田さんは教えてくれた。「小高ワーカーズベース」は、地域の再生拠点として変化を遂げつつあるのだ。
(2018/7/4 取材)
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取材・執筆:酒井瑛作
撮影:出川光 -
小高ワーカーズベース
住所:〒979-2121 福島県南相馬市小高区東町1-37
HP:https://owb.jp/
(※満席のため、コワーキングスペース利用の会員募集は停止中|7/31現在)
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