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PLACE|地域に愛される元祖よつわりパンの店「原町製パン」

ひと足お先に移住した先輩が、「誰かが移住してきたらまず連れて行きたい!」と思う、とっておきの場所をご紹介。第四回目は、地元民が愛してやまない老舗のパン屋「原町製パン」。

創業67年の原町製パンの歴史は、南相馬市原町区栄町で幕を開けた。そのため、現在の原町区本陣前の店舗は、創業60年目の節目となる2011年に新たにオープンしたもの。ピンク色の壁にエメラルドグリーンの屋根のかわいらしいお店に入ると、甘くていい香りが広がる。

なんといっても一番人気は、レトロなパッケージに包まれたよつわりパンシリーズ(138円〜)。十字型に切り込みが入ったパンに、こしあんとホイップクリームがはさまれ、シロップ漬けのチェリーが乗ったものが基本のよつわり。この絶妙なバランスは、たしかに何度でも食べたくなるハーモニーだ。パンもホイップも軽く、ぺろりとたいらげてしまった。さすがは半世紀以上愛される人気メニュー。

よつわりのラインナップは毎日7〜8種で、季節限定メニューもあるそう。取材時は、あまおういちごあん、なつみかん、キャラメルあん、極みずんだ、抹茶あんなどが並んでいた。ほかにもたくさんの種類のパンをリーズナブルな値段で買うことができる。広い店内にはイートインスペースもあるため、できたてを食べられるのも魅力だ。

また、原町製パンは60年以上、地元の学校へパンを届け続けている。幼稚園、小・中学校では給食、高校では購買に原町製パンが並ぶ。地域の子どもたちは忘れることのできない“おふくろのパン”なのだ。

よつわりパンは認知を広げ、今や地元だけでなく全国で人気を集めている。これからも原町発のなつかしくておいしいパンを作り続けてほしい。

(2018/9/11 取材)

  • 取材・執筆:石川ひろみ
    撮影:出川光
  • 原町製パン
    住所:〒975-0062 福島県南相馬市原町区本陣前3-1-5