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東京・有楽町でふくしまのこと、相談できます

有楽町の駅前に、各都道府県の物産館や大型書店、パスポートセンターなどのテナントが入っている大規模な複合ビル、東京交通会館があります。特に物産館の入るフロアはいつも多くの人で賑わっていますが、このビルの8階に、“全国の移住情報が手に入る日本最大の移住相談センター”があることはご存じでしょうか。

今回はここにある、東京都内で唯一の福島県への移住相談センター、「ふくしまぐらし相談センター」で、就職相談員として活躍されている兵頭文香さん(国家資格キャリアコンサルタント、産業カウンセラー)にお話を伺ってきました。

ふくしまぐらし相談センターとは?

「ふくしまぐらし相談センターは、福島県が設置した、福島県へのUIJターン(注)を希望する皆さんの就職支援をする窓口です。」と兵頭さん。
実は、ここは移住相談の窓口も併設されているため、UIJターンだけではなく、学生さん、社会人をはじめ様々な皆さんが相談に来るそうです。「移住と就職を一緒に相談できるのは、福島県外では唯一東京にあるここだけです。」

(注) Uターン:地元(地方)から都市圏へ進学や就職で移り住んだのち、再び故郷に戻って生活や仕事をすること
Iターン:都市部などで生まれ育った人が出身地ではない地方へ移住し、就業・就職すること
Jターン:地方出身者が一度大都市圏で就職したのち、故郷ではなく、故郷に近い地方都市や同じ県内の別の都市に移住・転職すること

どんな方が相談に来る?

「人によって様々な理由がありますが、移住を考えている人が就職・転職も合わせて相談したいというケースが多いですね。最近は就職メインで移住を考える若い方の相談が増えています。」
かつて移住は、セカンドキャリア世代の方から“第二の職業・生きがい”の実現を求めるご相談を多くいただいていました。ここ数年は20~40代の、仕事中心のスキルを生かした地域貢献や、新しい働き方に挑戦する人が増えています。

「移住先で仕事を見つけたいと言っても、一人一人温度感は違います。」
そのため、就職情報の提供にあたっては、福島で何がしたいか、何を求めているのかを中心にじっくりお話を伺うそうです。

移住・転職の時期についても同様で、すぐ近い時期のお話なのか、しばらく先なのかも人によって様々です。
「ご本人の積極的な行動を促しつつ、希望する地域の企業や求人の状況を、その方が考えている時期に合わせてメールでお知らせするなど、必要な時に必要な情報を届けられるよう心掛けています。」
こうした様々な相談にきちんとお応えできるよう、ここでは福島県庁や福島労働局などと、就職イベントをはじめとした最新情報を常に共有しておくことが欠かせません。
「このフロアにはハローワークの“地方就職支援コーナー”があり、その中に福島就職支援コーナーもあります。ふくしまぐらし相談センターでは、『感働!ふくしま』ポータルサイトやハローワークの求人をメインに提供しています。福島県内に7カ所ある『ふるさと福島就職情報センター福島窓口』や『ふくしま生活・就職応援センター』と連携をとり、地元の最新の求人情報を常にアップデート。また、各自治体の求人媒体や、HOOKさんをはじめとした求人情報にアクセスできるウェブサイトなども活用しています。」

幅広い相談ニーズに応えるために

その他にも、各市町村の方が東京にいらして、この窓口で相談に応じる出張相談会も行われています。出張相談会の回数や相談できる市町村は月によって異なりますが、今年の6月は合計7回開催されました。
「人気のある市町村の時は、予約で満席になることもしょっちゅうです。」
興味のある市町村について詳しい話が聞ける大きなチャンスであるとともに、具体的に移住を考えている方は私たちの想像以上に多いんだなぁと感じます。
また、福島での起業を目指して移住を考えている方への相談の機会も設けており、「ここでは毎月1回は起業相談の窓口を開設しています。」
相談者の様々なニーズに応えられる、その仕組みが整っている窓口であることがよくわかりました。

ふくしまを移住先と考える、その魅力とは

では、ここに相談に来る方が福島を目指す背景にはどんなものがあるのでしょうか。
「福島に何らかのゆかりのある人は多いですね。例えば会津出身で東京と福島の2拠点を考えているけれど、福島の拠点は会津ではなく新幹線が通っている中通りで考えたい、という方もいました。」実家に通える距離で移住を考える、いわゆるJターンの人も多いようです。
また、福島を移住先の候補に考えている方から良く聞かれるのが、「福島ならではの時間の流れでしょうか。時間がゆっくり流れている感じがするという人が結構いらっしゃいます。」

そしてもう一つのキーワードは震災・復興です。こちらも毎月一定数の問い合わせがあるそうです。
「相談の件数をエリア別でみると、浜通りと会津が3割ずつ、中通りが4割といった感じでしょうか。浜通りでは被災した12市町村の企業や人の流れの変化は著しいものがありますし、いわき市の人気は高いですね。暮らしやすそう、食べ物がおいしそうという意見が多いです。中通りは新幹線も通っていて便利なイメージ、会津地方は雪が多いことも含めて、歴史やウィンタースポーツ、只見線が好きという声をよく聞きます。」

地元出身の兵頭さんから見た福島

兵頭さんはいわき市出身で、茨城県のハローワークに務めていた時に東日本大震災が起きました。その後転職も経験しましたが、相談業務にやりがいを感じていたので、9年前にこの仕事に就いたそうです。
さらに、「一生に一度は東京で仕事をしたいと思っていました。また、キャリアコンサルタントの資格を活かせること、ふるさと福島の役に立てる仕事をしたいという希望を持っていました。この仕事は、私の希望に完全に合っていたんです。」

地元福島の魅力について語っていただきました。
「人と人とのちょうどいい距離感でしょうか。人見知りし過ぎでもなく馴れ馴れしすぎることもない。言葉は決して多くないですが、相手を想う独特の間合いが合って。その距離感がいいんです。 福島の言葉も好きです。標準語とは微妙に違うイントネーションで、聞いていてほっこりします。この窓口でも、福島県から来た方の言葉を聞いていると和みますし、つられちゃいますね。」

太平洋に面し、磐梯山や阿武隈山系など大自然に恵まれた福島県は、お米も野菜も果物も魚も、水もおいしい。会津は雪が多い一方、浜通りでは温暖な気候でサーフィンも楽しめるなど、全国第3位の面積を持つ福島県ならではの、多彩な魅力があふれています。
是非一度、ふくしまぐらし相談センターに、福島県のお話を聞きに行ってみませんか。

最後に:兵頭さんからのメッセージ

もしこれからの人生の中で「ふくしま」というワードが出た時に、何か気になるものを感じたら是非こちらの窓口にいらしてください。どんなお話でも伺います。
あなたの人生に、これから福島県がどう関わっていけるのか、ご相談承ります。

  • 取材 HOOK編集部  写真・文 本多正幸
    協力 ふくしまぐらし相談センター(東京都千代田区有楽町2-10-1東京交通会館8F)
    (2026年6月取材)