COLUMN
連載
KUMA・PREのラストイベント「KUMA・PRE R6→(クマプレアールロク)開催!
福島第一原発がある福島県大熊町。東日本大震災に伴う原発事故により、約11,000人いた町民全員が、町外への避難を余儀なくされました。
震災から8年が経った2019年から一部エリアで避難指示が解除され、町民の帰還が始まりました。しかし、町内にはまだ帰還困難区域が残り、戻っていない町民も数多くいらっしゃいます。
大熊町の復興に向けて、町の今を伝える情報発信の場、コミュニティや地域イベントの活動拠点として2022年2月にオープンしたのがKUMA・PREです。
KUMA・PREの「プレ」とは、JR常磐線・大野駅前の復興、まちづくりの推進に向けた「プレ施設」の意味です。
オープン以来、まちづくりの試行の場としてワークショップや体験会、マルシェ、キッチンカーの実証事業など様々なイベントが行われてきました。
現在、大野駅前では産業交流施設「CREVAおおくま」と、商業施設「クマSUNテラス」の建設が進んでいます。
CREVAおおくまは、貸事務所や会議室、コワーキングスペースなどを備えた交流の場として、クマSUNテラスはコンビニや飲食店、物販店などが立ち並ぶ商業施設として、地区全体の賑わいを創出する役割を担います。
2024年12月以降に順次開業し、2025年3月にグランドオープンを迎える予定となったことから、「プレ施設」であるKUMA・PREはその役目を終え、12月7日に閉館することとなりました。今回スタッフが訪れた「KUMA・PRE R6→」は、閉館を前に3年間の感謝を伝えるラストイベントです。
当日は青空がのぞくものの、風が強く肌寒い一日でしたが、午前中から別れを惜しむ沢山の方が訪れていました。KUMA・PRE併設の駐車場には、テントやキッチンカーが並び、皆さん思い思いに過ごしています。
KUMA・PREスタッフのOBと思われる方々は懐かしそうに写真を撮ったり、「最後だから久しぶりに来てみたの」とおっしゃるお年寄りのご夫婦も。
KUMA・PREでは、3年間の歩みを写真で振り返ることができるようになっていました。立ち止まってじっと見入る人もいれば、仲間と談笑しながら順番に見ていく人もいます。
建物内では、KUMA・PREウッドデッキの端材を使ったワークショップが開かれていました。大人から小さなお子さんまで、思い思いに木を伐り、紙やすりで磨き、自分だけのキーホルダーやプレートなどを作っていました。
屋外も屋内にも、会場には笑顔があふれるイベントでした。
KUMA・PREの賑わいは、「CREVAおおくま」や「クマSUNテラス」などに引き継がれていきます。復興が進んでさらに大きな賑わいが生まれていくだろう…。
そんな期待が膨らむラストイベントでした。
-
取材 HOOK編集部
写真・文 本多正幸