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PLACE|大きなメンチが名物の「今野畜産直売店」
相双地域にひと足お先に移住した先輩が、「誰かが移住してきたらまず連れて行きたい!」と思う、とっておきの場所をご紹介。今回は、原町で愛され続けるお肉屋さん「今野畜産直売店」。
「今野畜産直売店」は、リーズナブルな価格で新鮮なお肉や手作りの揚げ物、惣菜を販売するお肉屋さん。毎日のおかずから贈答品選びまで、幅広いニーズに応える。1970年創業の「今野畜産」、2代目・今野和秀(こんの・かずひで)さんにお話を聞いた。
「こんなに安くていいの?」と思ってしまう「今野畜産直売店」の商品の数々。実はその安さには秘密がある。
「うちは肉の卸しをやっていて、目の前にある工場で精肉をしているのでお安くご提供できるんです。家族でやっているのも安さの秘密かな。おかげで毎日4時、5時起きですが(笑)。それでもなるべく安くお出して、お客さんに喜んでもらいたい」。
精肉以外にメンチや唐揚げといった揚げ物や、お惣菜も常時20〜30種類並ぶ。1番人気の大きな「メンチ」(85円)は1日に300枚ほど売れるそう。
「お店に並ぶ冷凍食品も惣菜も、素材を生かして手作りにこだわっています。メンチは先代から変わらない味。ジューシーでしっかり味がついています。一度に100枚くらい買っていく人もいますよ」。
毎月29日(肉の日)は、お買い得商品が並ぶ。肉の日限定のチーズメンチ(100円)もおすすめだ。お肉がグレードアップしたメンチに、ごろっとした国産チーズが2種入ったスペシャルな一品。これを求めて店の外にまで行列ができるそうだ。
そんな「今野畜産」がある場所は、原発事故後、居住制限区域ギリギリとなった場所。だが「今野畜産」は震災が起きた翌月4月29日(肉の日)にはお店を再開させた。今でも今野さんにはこんな想いがある。
「うちが中心となって、少しでも震災前に近づけるようにしていきたい。これからも町のお肉屋さんとして地域に根ざして、支えてくれたお客さんのことを一番に考えていきます」。
2019年秋には工場と直売店が一体化し、リニューアルするそうだ。「これで外に並んでいただかなくても大丈夫になります」と、どこまでもお客さん想いの今野さん。「もちろん値上げはしませんよ」と冗談交じりに笑顔で話してくれた。
(2018/12/11 取材)
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取材・執筆:石川ひろみ
撮影:小林茂太 -
今野畜産
〒975-0054
福島県南相馬市原町区高字竹ノ内19-2