COLUMN
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福島県出身の若者が日比谷に集いました
2024年9月28日に、福島県出身者が集う大交流会イベント「今度は東京で集まろう~ただいま、ふくしま。2024 in 東京~」が開催されました。
このイベントは首都圏在住の20代後半~30代前半の福島県出身者を対象に行われたものです。東京で地元出身者とつながり、福島の魅力や現状を改めて感じてもらうことを通じて将来的なUターンに繋げようと、福島県が主催しました。
スタートの1時間前に受付が開くと早速多くの人が訪れはじめ、このイベントの盛況ぶりを予感させてくれます。
来場者は、会場に設置された「福島を出たからこそわかった、福島の新しい発見」ボードに、思い思いにメッセージを貼り付けたり、福島の特産品の展示の前で思い出話に花を咲かせたり。
「いつか見たあの景色展」では、福島の懐かしい景色に触れることができるほか、“福島のいま”やUターンの参考になる情報コーナーも設けられ、多くの人が訪れていました。
Café & Bar Quasse(食わっせ=「どうぞ食べてください」という意味の方言)では、ドリンクと一緒に福島市の「いかにんじん」やいわき市の「ぽーぽー焼き」など、福島県の郷土料理が提供されていました。
福島の特産品や今を知るための情報、懐かしい風景や味など福島の魅力があふれる会場は、旧友と偶然再会して驚いたような笑顔を見せる人もいて、スタート前から賑やかです。
福島県の内堀知事が壇上から「おかえり!」と呼びかけ、来場者が「ただいま!」と応えて開幕。内堀知事は、「福島を離れて時間が経っている方もいると思うので、それぞれの福島をアップデートしてください。参加している皆さんの間で、お互いの大好きな福島を共有してください。」挨拶されました。
乾杯に続き、MCの幡谷明里さん、福島県住みます芸人のぺんぎんナッツとのオープニングセッション、さらに知事自ら満員の会場で参加者とも歓談して、福島県のアピールに余念がない様子でした。
会場に設けられた、故郷を思い出せるブースも大盛況です。
(上)福島を出たからこそわかった “ふくしま再発見ミーティング”
(下)福島の情報満載の“ふくしますごろく”
参加者がテーブルを囲んで談笑するエリアでは、ステージイベントが行われています。
トークセッションには、白河市出身のモデル・牧田優花さんをはじめ福島へのUターンを経験した方が登場し、福島暮らしの話題で盛り上がりました。会津若松市出身のシンガーソングライター・山猿さんのライブでステージイベントが締めくくりとなり、最後は参加者全員そろっての記念撮影で2時間半のイベントが終了しました。
福島県の人口は、1998年から2023年にかけて連続で減少しており、人口減少対策が喫緊の課題とされているそうです。
2022年度の県外への転出者の約3割を24~35歳の若年層が占めている一方、県外から移住してくる人の半数近くをUターンが占めているとのこと。そこで、首都圏在住の福島出身者のUターン促進を目的に、このイベントが企画されました。
普段の生活では福島との関わりが薄くなっている人にも、このイベントをきっかけに関係性を持ち、福島出身者同士の横のつながりを創ってもらうこと。そして移住に限らず、テレワークや副業なども含めてまずは福島との関わりを深めてもらいたい。その想いを、153名もの参加者が共有できたイベントでした。
今後も福島との関わりをさらに深め、Uターンに向けたきっかけとなるような新たなイベントが企画されているようです。東日本大震災からの復興も進み、首都圏との交通も便利で自然や食などの魅力にあふれた福島県へ、Uターンで帰る若者が増加することが期待されます。