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今年のテーマは「進」!
川内村「BON DANCE(盆ダンス)」が開催されました。
2024年8月15日(木)、福島県双葉郡川内村で開催された「BON DANCE」に行ってきました。
スタートを30分後に控えた11時半頃会場に到着すると、実行委員会の秋元活廣会長が忙しい時間を割いてくださり、お話を伺うことができました。
川内村は8つの行政区に分かれており、2005年まではそれぞれの行政区ごとに盆踊りが行われていたそうです。2006年、8行政区が試験的に合同で盆踊りを行ったところこれが好評だったことから、2007年から「BON DANCE」として毎年開催されるようになったのだとか。今年が18回目のBON DANCEです。
BON DANCEは、2011年の東日本大震災・原子力事故による全村避難時は、避難先の福島市で開催し、新型コロナが流行した2021年も、密を避けるため盆踊りを中止にして来場者を県内に住む人に限るなど、感染対策を徹底して開催を続けてきたそうです。
川内村では毎年お盆恒例の野球大会「盆野球」が開かれています。BON DANCEに先駆け8月13日から14日まで開かれた盆野球に参加するため、今は村外に暮らす多くの方がこの期間に村に帰ってくるのだとか。
さらに、川内村では毎年お盆の時期に成人式が行われています。この日も、会場に隣接した村の公民館で成人式(川内村二十歳のつどい)が開かれていました。お盆の暑い期間は、川内村が多くの人で賑わう一年で最も熱い期間でもあるようです。
12時になり、秋元会長と司会のフリーパーソナリティ・八木志芳さんがステージへ。秋元会長による開会宣言でBON DANCEの第一部・ミュージックフェアがスタートしました。
福島で活躍するシンガーソングライターの皆さん
(写真左)郡山市在住のMANAMIさん
(写真右上)只見町出身の大竹涼華さん
(写真右下)川内村出身、川内村に勤務する坪内新誌さん
会場にはたくさんの子どもたちも遊びに来ていました。
福島市を中心に活動するユニット「マジカルバルルーンYes」のステージでは、メンバーが歌って踊りながら作るバルーンを目当てにステージ前に集まったり、ウォータースライダーを元気に滑り降りたり。とにかくみんな笑顔いっぱいです。
会場には、盆踊りの櫓を取り囲むように食べ物や飲み物、ヨーヨー釣りなど色とりどりのテントが数多く並んでいました。
中でもかき氷が飛ぶように売れていたように見えたのですが、そんなテントでスタッフとして活躍している方の中には、県外から川内村に移住してきたという方も。
大会本部にいらっしゃった男性は、埼玉県出身。大学時代の友人が川内村に帰ることになった時、「一緒に行こう」と誘われて移住したのだとか。川内村は「夏はあまり暑くなく、冬も雪はあまり降らない」と、住みやすい環境がお気に入りの様子です。
地域おこし協力隊として神奈川県から移住したという女性は、“五感で感じられる”と表現する川内村の自然が大好きだそう。まちづくりに興味があって旅行会社に4年ほど勤務した後、川内村に移住して4ヶ月目とのことですが、「東京に行って友人に会っているときでも、早く川内村に帰りたいって思っちゃうんです」と笑いながら話してくれました。
夕方16時になり、川内村の遠藤村長ほか来賓の掛け声とともに、第二部・BON DANCEのスタートです。
3月で活動を停止したいわき市のご当地アイドル・アイくるガールズがこの日のためだけに限定復活、さらに川内村のふるさと大使を務める渡辺俊美さんのライブで音楽ステージは締めくくりとなりました。そして18時からは盆踊りです。
盆踊りを盛り上げる太鼓や笛は、村内の若い方々が3か月前から練習を積んできたそうです。力強い音が会場に響き、子どもから大人まで大勢の方が盆踊りを楽しんでいました。
大型テレビなど豪華な景品が当たる抽選会も盛り上がり、音楽に合わせて盛大に打ち上げられる花火でフィナーレとなりました。
BON DANCEの会場のすぐ横には、アルカリ度が高くお肌がツルツルになる“美人の湯”を楽しめる温泉施設「かわうちの湯」や、川内村の新鮮な野菜やきのこの直売所「あれ・これ市場」があります。モリアオガエルの生息地としても知られる、魅力あふれる川内村に一度遊びに行ってみませんか。
※盆踊りの様子と写真は、かわうちラボ・三瓶事務局長からご提供いただきました。ご協力ありがとうございました。
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取材 HOOK編集部
写真・文 本多正幸 -
◆福島県双葉郡川内村
◆一般社団法人 かわうちラボ
◆BON・DANCE実行委員会